連携ラーニング・プログラム「アート・キャンプ Vol.10:ワールド・クラスルーム ユース・アンバサダー」を実施

立教大学×森美術館共同プロジェクト

2023/10/13

OVERVIEW

森美術館では2023年4月19日から9月24日まで森美術館開館20周年記念展「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」を開催。それに伴い、立教大学と森美術館の共同プロジェクトとして、立教池袋中学校・高等学校と立教新座中学校・高等学校の生徒、立教大学の学生を対象としたラーニング・プログラム「アート・キャンプ Vol.10:ワールド・クラスルーム ユース・アンバサダー」を実施しました。

「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」は、学校で学ぶ教科をアート鑑賞の入口にして、まだ見たことのない世界に出合う展覧会。今回のアート・キャンプの目的は、参加生徒・学生が「ユース・アンバサダー」となり、展示作品や展覧会を自分たちの言葉で紹介すること。アート・キャンプは2023年5月14日から6月25日にかけて4回実施され、36人の生徒・学生が参加。6グループに分かれて、それぞれが選んだ作品と対峙し、アーティストや美術館スタッフと共に、作品の背景にある歴史的、政治的、社会的、文化的な「文脈」を学びながら、作品解説(音声ガイド)の制作に挑戦しました。

片岡真実森美術館館長(撮影:田山達之 写真提供:森美術館)

第1回目(5月14日)は、片岡真実森美術館館長による「現代アートって何?」と題したレクチャーが行われました。片岡館長は、現代アートの成り立ちや歴史を紹介するとともに、現代アート作品の鑑賞の仕方を解説。作品が生まれた時代や場所、社会情勢といった背景に着目しながら作品を解釈することの重要性を説きました。その後、参加者は自身の目で展覧会を鑑賞し、グループごとに感想を共有しました。
第2回目(6月4日)、第3回目(6月11日)は、本展出展者である瀬戸桃子氏、風間サチコ氏によるアーティストトークがそれぞれ行われました。そして参加者は、グループごとに作品を1点選択し、作品解説の制作に着手。また、キュレーター(※)が作成した作品解説を題材に、疑問に感じたことなどを共有しました。

※キュレーター:美術館などで資料収集、保管、展示、調査研究などに携わる専門職員

(撮影:鰐部春雄 写真提供:森美術館)

(撮影:田山達之 写真提供:森美術館)

最終回となる第4回目(6月25日)は、制作した作品解説の音声収録を行いました。キュレーターから添削を受けブラッシュアップした原稿をレコーディングルームに持ち込み、グループごとにレコーディングを実施。録音した作品解説は全グループで共有し、片岡館長と美術館スタッフからの講評を受けました。最後に参加者一人一人が、アート・キャンプに参加した感想を語りました。

(撮影:田山達之 写真提供:森美術館)

完成した作品解説は、7月21日から公開されました。観客に問いかける解説、友だち同士で作品を見ているような対話型の解説など、既成概念にとらわれない発想で制作された作品解説となりました。

参加者の声

  • 立教大学 観光学 部観光学科 4年次 堀 茉莉子さん
    「分かりづらいもの」というイメージがあり、敬遠してきた現代アート。見方が分かれば面白くなるかもしれないと思い、今回のアート・キャンプに参加しました。作者の思想や時代背景などを考えながら鑑賞すると、それまでとは全く違った印象になるのが興味深かったです。
  • 立教大学 社会学部 現代文化学科 4年次 小檜山 恵香さん
    現代アートは「考えることが面白い」と美術館の方から聞いたことがあり、グループでの意見交換を通して、その意味を実感できました。私たちのつくった作品解説が、来場者の方の「考える」きっかけになればうれしく思います。
  • 立教大学 経営学部 経営学科 3年次 田上 颯さん
    1つの作品についてグループで意見交換を行うと、これほど多様な意見が出るんだと驚きました。6人で協働して作品解説をつくるのは容易ではありませんでしたが、合意形成に至るプロセスを実践的に学べたのは貴重な経験になりました。
  • 立教大学 社会学部 メディア社会学科 2年次 野口 葉名さん
    もともと美術館巡りは趣味でしたが、作品に対する解釈を他の人と共有する機会は多くありませんでした。偶然同じグループになった仲間と意見を交わし、それぞれ異なる見方や考え方に触れることができて、大きな刺激がありました。
  • 立教新座高等学校 1年 渡辺 百福さん
    普段、接点の少ない大学生や中学生と協力して、1つのものをつくり上げるという経験が新鮮でした。何もかも手探りでしたが、高いコミュニケーション力を持った先輩方が、優しくリードしてくれたのがありがたかったです。
  • 立教新座中学校 2年 木村 圭佑さん
    今まで美術館を訪れたことがなく、作者の思いが表れる現代アートの面白さを初めて味わいました。その上で、1つの作品解説という形にできたのがうれしかったです。グループワークの方法を学ぶことができ、自分でも成長を感じました。

(撮影:田山達之 写真提供:森美術館)

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